「薬」の物語（ネタバレなし）

私はついに一つのやらなければ後悔することを完成させました。

自分のゲームを作るのは小さい頃からの目標でしたが、いろいろな事情でなかなか実行できませんでした。自分の作品を作ったことがないと言いませんが、私の熱心を込めて作った「作品」は内容やレベルはあんまりよくない。当時の私は自分が偉いと思いましたが、今当時の自分の「作品」を振り返ると、自分でも滑稽な気がします。

その後、いろいろな事がきっかけで、「いよいよ」という気持ちでゲーム制作に戻りました。そして、「妊娠」から約3か月後に『寂しさという薬』（以下、『薬』）が生まれました。

『薬』は私がネット上で公開した同名の短編小説を原型とした作品です。当時私は表現芸術療法を学んでいましたが、何かを消化していたとき、突然パソコンの前でキーボードを打ち始め、この短編小説を書き上げるまで止まらなくなりました。これが、この物語をビジュアルノベルにしたいと思った理由です。

非常に多くのことは、非常に多くの方法で、明確に、合理的に表現、説明できます。ただし、誰もが聴いて感動できるかというとそうではありません。この小さな物語は、普遍的な真実を説くことを目的としたものではなく、単なる普通の人の声ですが、私が自分の気持ちを直接他の人に伝えるよりも強い力であると確信しています。人の本当の感情は、言葉で表現できるよりも複雑です。人によっては、「物語」のような芸術的なメディアが、自分自身を理解してもらうためのもう一つの方法であると私は思います。少なくとも私の場合はそうです。

「物語」は通常、読者に直接「説教」することは少なく、架空の人物やプロットを通じて作者の情報や感情を伝えます。幼い頃から理解されにくい人間として、「物語」こそが自分の本当の気持ちをみんなに伝える最後の手段だと憧れていました。

『薬』の話に戻りますが、人が話すとき、振り返ったり覆いをかけたりせずに、思ったことをそのまま表現できるように、物語は一度で完成すると信じており、大きな変更は行っていません。話す前にいつもよく考え、人の眉や額を常に見る私にとって、それは非常にまれであり、生涯の祝福とほぼ同じくらいまれであるとしか言えません。『薬』をより多くの人に知ってもらい、彼の長年の願いを実現するために、私は『薬』をビジュアルノベルの形で発表しました。

元々完成したと思われていたテキストに絵や音を加え、先生と「私」に形や動き、表情を加えて、プレイヤーの目の前で可能な限り鮮明に再現します。胎児は母親の体内で徐々に形を作り、正式に誕生して解放されるまで何度も何度も舞台劇のリハーサルを行うようなものです。先生と「私」には形がありません。文字だけを書いたときは、彼らの姿を想像していませんでした。それは、完成したときと同じでした。彼らのイメージがすでに私の心の中に存在していて、それを引き出しただけのようです。本作の内容は大きく変わっていないが、改変というよりはある程度の「続き」となっているようだ。

皆さんにとって『薬』がどんな物語なのかは分かりません。でも、私は生まれてさえいれば大丈夫、『薬』もみんなが見てくれれば大丈夫だとずっと信じてきました。これは私にとっても、将来の子供たちにとっても変わることはありません。言えることは全て言い、やれることは全てやれば、後悔はありません。

最後に、『薬』をプレイしていただいた皆様に感謝いたします。この子についてどう思われるかは気になりませんが、この世界には大小さまざまな優れた作品があふれています。まだ『薬』をプレイしたことがない方は、この記事を最後まで読んでいただき、私の心の旅を見守っていただけると感謝します。

近いうちにまたお会いできるように願っています。